私たちの生活の中にはプラスチックがいたるところに溢れています。そのプラスチックは石油から作られていますが、作られている量は石油産出量の約8%(約3億トン)がプラスチックに使われていると言われています。そのプラスチックが自然界の中で細かくなったものをマイクロプラスチックと言います。
マイクロプラスチックの問題の発端
マイクロプラスティックは、2018年頃からニュースで取り上げられるようになり、私たちの耳に入ってくるようになりましたが、発端は2004年5月にサイエンス誌に掲載された「Lost at Sea: Where Is All the Plastic?」という論文と言われています。
発端になったScience誌

Lost at Sea: Where Is All the Plastic?
サイエンス 2004/5/7 Vol:304、Issue:5672
著者:Richard C. Thompson1,*, Ylva Olsen1, Richard P. Mitchell1, Anthony Davis1, Steven J. Rowland1, Anthony W. G. John2, Daniel McGonigle3, Andrea E. Russell3
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マイクロじゃないプラスチックは問題ではないのか?
マイクロプラスチックという言葉が先行し問題視されていますが、プラスチックが自然界で分解されにくいことが問題で、分解されていく過程で細かくなった状態が、自然界に影響が出る可能性があるということで対策を始めているところです。
環境省によるマイクロプラスチックの定義
マイクロプラスチックという言葉の定義は、もともとは1mm(ミリメートル)以下のプラスチック粒子を言っていましたが、「海洋ごみとマイクロプラスチックに 関する環境省の取組」には「微細なプラスチックごみ(5㎜以下)のこと」。と定義されています。もはやマイクロじゃないですが、問題ですよと。

海だけではない問題
マイクロプラスチックは、ゴミとして海にたどり着き波や紫外線で細かくなっていくことで発生すると説明があるので海中での問題と思われがちですが、近年の調査では、大気中にもあることが明らかになっています。
研究論文では、北極やフランスのピレネー山脈に降ってくる雪にマイクロプラスチックが混じっていることが報告されています。仕組みはすべては解明されていませんが、マイクロプラスチックが風で巻き上げられ、大気中を飛んで移動していると予想されています。
酸性雨や大気汚染の原因の硫黄酸化物や窒素酸化物が、雨に溶けて地上に降ってくることを考えると、微小のマイクロプラスチックが雨や雪に交じって降ってくることは容易に想像が出来ますね。