木材は、はるか昔から生活に必要な資材として使われてきましたが、近年、過剰な伐採により森林が破壊されている実態があります。
森林が破壊されることで、地球に、我々に、どのような影響があるか見ていきましょう。

森林の役割を考えてみましょう
大気の循環
森林・木は、光合成により大気中の二酸化炭素を取り込み、酸素を排出しています。
CO2 → O2 + C
炭素(C)が木に固定化されて行きます。
これは地球が作られた歴史からも証明されているので間違いないです。
野生動物の生息
日本は、国土の約7割が森林になっていて、野生生物の住まいになっています。天敵から身を隠すことができ、巣を作ることで比較的安全に繁殖が出来ます。また森の恵みで、食べ物もあります。
森林がなくなると食べ物の確保も難しくなり、弱い動物は繁殖も出来ず天敵から襲われ絶滅する可能性もあります。
近年、人里までサルやイノシシ、地方によってはクマなどが出没してニュースになっていますが、野生生物が住む森林が人手によって破壊されているのかも知れません。
破壊は、木の伐採だけではありませんからね。

雨水のダム
森林の木は土の中に根を張っています。この木の根の力によって大雨による崖崩れを防いでいたり、山の土が川に流れ混むのを防いでいます。
土砂が川に流れ込むと川の生物は生きられません。また下流で川の水を必要としている人間には水不足と言う被害もあるでしょう。
近年は異常気象による大雨で、崖崩れや川の氾濫が増えているように思いますが、森林のダムの機能が失われつつあるのかも知れませんね。
温暖化防止
ここでいう温暖化防止は、森林が二酸化炭素を取り込めなくなって、温暖化することとは違います。地球温暖化とは違い、局所的な意味合いの温暖化防止ですね。
良く、「都会は暑い~」と言いますが、東京、大阪、名古屋などは都会で木や緑が少ないせいか確かに暑いです。
木は、蒸発散作用によって、夏の気温を低下させ、都市部におけるヒートアイランド現象を抑える機能がありますので、木や緑が少ないと温暖化しやすいということです。
癒しの機能
森や山など緑が多いところでは、山登りやハイキング、森林浴などで、精神的・肉体的ストレスが、木が発散する揮発性物質によって、健康増進に効果を発揮するなど、気分転換や健康維持に高い効果を発揮することが期待できます。

森林破壊は日本でも起きている
ご紹介したいくつかの項目から、森林破壊の可能性が疑われますが、実際に、沖縄では、山の土が川に流れ海まで達し、さんご礁への被害も出ています。
また、人間の娯楽であるゴルフ。このゴルフ場ではキレイな芝生が必要です。芝生をキレイに保つためには多くの農薬を使い、ゴルフ場の周辺からは農薬成分が検出されています。
都心部では、森林を破壊し開拓し、アスファルトで覆いビルが建ちました。ヒートアイランドと言われる現象も森林破壊の被害と言えるでしょう。
森林破壊の被害は、私達の身近な所にもあるのです。