働き方改革で残業を減らそう!じゃ残業を正しく付けよう!としたら、月45時間をオーバーして、人事から指摘された。
働き方改革ってなんだろうな?という話です。
働き方改革の概要
「働き方改革」の目指すもの
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
うん、良く判らない。
簡単に言うと
「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」とのこと。
らしい。
働き方改革の実行計画という物が公開されていた
- 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
- 賃金引上げと労働生産性向上
- 時間外労働の上限規制の導入など
- 柔軟な働き方がしやすい環境整備
- 女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備
- 病気の治療と仕事の両立
- 子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労
- 雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
- 誰にでもチャンスのある教育環境の整備
- 高齢者の就業促進
- 外国人材の受入れ
この中の項目で言うと、「3.時間外労働の上限規制の導入など」が今回の話の項目です。
人事から指摘が入った理由
基本的な話として、事業拠点全体の残業時間の平均は10時間以下なので会社自体は問題ない状態です。
が、情シスの平常時の平均残業時間は40時間ほどで、社内でも有名なブラック部署です。
働き方改革法案の時間外労働の上限規制は、原則として、
- 月45時間・年360時間
- 臨時的な特別な事情があれば、年720時間
- 複数月平均80時間以内
- 100時間未満
- 45時間を超えることが出来るのは年間6か月まで
今回の指摘は、「45時間を超えることが出来るのは年間6か月まで。」
1月で、5回に達しそうです。まぁあと2月3月で1回ですからね、大丈夫だと思いますが。
さらに問題は、臨時的な事情ではなく恒常的な状態であることが問題となりました。
なぜ月45時間をオーバーするようになったか
チームメンバーが退職した
情シス部での私のチームは私とメンバーの2名体制でしたが、昨年の3月末でメンバーが退職するという事態になりました。
ですが、人員補充が無い状況になっています。かれこれ9か月くらい頑張ってます。
良い意味で言えば、2人分の仕事なのに残業40時間くらいで済んでいるなと。
仕事がどんどん来る
現場でのITニーズの高まりで、相談が増えているのは会社としては正常だと思っていますが、いやー多い。
現場のITリテラシーは上がってきているとっても、社内の事情に精通している情シスが絡まないといけないことが多く、常に相談が来ている状態になってます。
メンバーは増えていませんからね。
残業を正しくつけよう、と言うことになった
「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」
ということが目的なので、働き方を見直しましょうということで、残業も正しく付けましょうと捉えつけることにしました。
情シスなのでサーバを何台も管理しているのですが、OSの更新プログラムの適用などメンテナンス作業では、サービスを停止して行う必要があります。
日中はもちろんサービスを落とすことが出来ないので、定時以降。
事前に停止するアナウンスは行いますが、作業時間としては20時~24時くらいになることがほとんどです。
それを、月に1~2回のタイミングで、行っています。
ですが、そんな時間まで会社にいると怒られるため、PCを自宅に持ち帰ってリモートで作業することになりますが、自宅での作業は残業は付きません。サービス残業です。
これの時間を残業時間に付け替えたわけです。
もちろん上司の許可の元。
もう1点
出張時は残業が申請式になっているため、システムのメンテで営業所で作業した場合、残業が付かない都合の良いルールになっています。
これも正しく付けるようにしました。上司が許可するようになった。
もともと30時間~40時間の残業だったものが、数時間増えて、45時間を超えるようになったと言うことになります。
情シスは「働かない改革」に舵をとった
「残業を減らせ」と言ういうことが、働き方改革を推進していると思っているlことが多いですが、政府の計画とはかけ離れている状態です。
そういう会社は多いのではないでしょうか?
まぁ残業が多いことが、会社に貢献していると勘違いしている社員もいるので、どっちもどっちということではありますが。
そこで、情シス部では、苦肉の策を考えました。
人が入らないなら外部委託を利用する案
定常業務は一部外部に出していましたが、私の業務は定常業務がほとんどないため出すことが出来ません。
私のチーム以外は、外部に出すことで残業が減った人もいます。
私のチームには、たまにマクロの改修等の依頼がありますが、外部に委託するので費用が掛かることを伝えると話が止まります(笑)
働かない。
現場にしてみたら、業務が止まるかも知れない。
情シスにしたら法に触れる。もう業務くらい止まっても大したことない。
案件のスケジュールを伸ばす
プロジェクトをいくつか抱えていますが、リスケしてはどうかと経営層から話がありました。
PM等経験がある方は、「そんなバカな」と思うかも知れませんが、経営層とはそれくらいの脳みそしか持っていません。残念ながら現実です。
リスケのための調整で残業が増えるし、追加費用もかかる。会社にお金は出してもらえるか確認したら、お金は出せないと。
相談は受けない、別の部門に振る
今までは現場を支援する立場の情シスでしたが、最近では支援は控えるようになりました。
インフラ、セキュリティ、基幹系は最低限の業務として行っていますが、ITでの支援や開発業務、新技術検討などは別の部署で行うことになりました。
「え~それなら人を入れればいいじゃん」って思いますよね。そうはいかない。
「別の部署」ではITの専門家がいないので、結局は困って情シスに相談がくる。
「別の部署」に相談しても解決しないので、現場は困ってる。
情シスも困ってる。
会社も困ってる。
みんな困ってる。
こういう改革って誰がやるんでしょうね。
会社としては「守りのIT部門=情シス」と「攻めのIT部門=別の部署」を分けたかったのかな?
その中にはそういう会社も結構あるので、意味は分かりますが、そもそも人も知識も経験も技術も分散されて、みんな困ることになりました。
インフラ、セキュリティ、が面白くないとは言いませんが、情シスとしての面白みは半減しましたよね。
IT技術にかかわりたかったら情シスには入るな、という意味が分かりました。
結果
残業を正しくつける習慣になったことは1つの成果かも知れませんが、長期的に考えると社内のIT化が鈍ることで、競争力の低下につながることになります。
情シス部はコストセンターであるため、気軽な増員が出来ないことはわかっています。
そのうえでリソースを最適に配置するのが経営陣の仕事。
やっぱり定年間際の天下り経営陣ではダメなのか。
「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」
従業員、一人一人の行動で会社全体をボトムアップしていくことを考えていきましょう。という考えに至りました。
あれ?これって働き方改革じゃん?