大気汚染とは
人の健康や環境への悪影響をもたらす有害成分や微粒子が大気中に増加していることを大気汚染といいます。
ただし、例えば火山噴火や砂嵐、台風など自然由来のものは、大気汚染には含まない場合が多いです。
本来、大気は自然の中で循環しその過程で浄化されていきます。しかし、人の生活や工業の発展・公害などにより、自然の力では浄化できない状態になった場合、大気汚染と言えるかと思います。
あくまでも人為的な影響で発生している状態を、大気汚染と言います。
大気汚染の原因
大気汚染も水質汚染と同様、いくつかの要因があります。
自動車
私達の生活の中では、自動車の排気ガスがあります。物流や移動など、自動車は無くてはならないものですが、その自動車の使用によって大気汚染物質が排出されます。
数年前は、都心部でディーゼル車から排出される二酸化窒素(NO2)及び浮遊粒子状物質(SPM)による大気汚染が問題となっています。
近年では、電気自動車やハイブリッド自動車が結構売られていますが、バッテリーとか電気とかの面で環境にやさしいか、は別として、排気ガスが少ないということは、大気を汚染する原因が減ることになります。
工場
1900年代後期、工場からの大量な二酸化硫黄(SO2)等が排出され、工業地帯などがある地域では大気汚染が目立っています。
現在では「大気汚染防止法」などで規制されていますので、大きな原因とはなっていませんが工場での事故などで有害物質が出る可能性があります。
夏になると、よく自治体からの放送や連絡で、「光化学スモッグ警報が発令されました~」というのも毎日のように聞いていますね。
大気汚染の影響
窒素酸化物(NOx)や粒子状浮遊物質(SPM)、二酸化炭素(CO2)などこれらの物質は地球温暖化を始め、酸性雨、光化学スモッグなどの原因になることが分っています。
私達は呼吸を行って空気を取り入れます。水も同じように体内に取り入れますが水は見えますが、空気は見えません。しかも呼吸によって勝手に?体内に入ってきます。
人体への影響として確認されているのは、呼吸器系の症状ですね。「たん」や「せき」、重症状になると「ぜんそく」「気管支炎」「呼吸器疾患」となります。二酸化硫黄などは、400ppm以上の高濃度の場合には、数分で生命に危険が及ぶと言われています。
私も工業地帯付近に引っ越してきてから呼吸器の調子がおかしい。2回くらい病院に行ってますが、特に異常はないようですが、明らかに引っ越す前とは違います。
大気汚染の対策
自動車排気ガス対策
自動車の排ガスに関しても、「大気汚染防止法」で一部の物質について定められています。その内容に基づいて、自動車が作られています。
都心部では、大気汚染が深刻であるため、ディーゼル車規制が施行されています。千葉県では「千葉県自動車交通公害防止計画」を策定しており、アイドリングストップが義務付けられています。
また、低公害車(エコカー、ハイブリッドカー、天然ガスカー)の導入、アイドリングストップ運動などにより、発生を抑制することが一番の対策と言えます。
近い将来、自動車は自動運転技術が進みます。そうするとマイカーという考えからカーシェアという考えも出てきます。最近の若い方は自動車を持たないという時代になっています。自動車を持つのがステータスという時代は終わっています。
自分で車を持っていなくても、スマホで予約すると自動車が迎えに来てくれるようなことが起こります。すでにカーシェアはありますし、自転車でも同じようなシェアはあります。アプリでタクシーが呼べます。
自動車メーカーは毎年すごい数の自動車を販売していますが、実は自家用車の稼働率は5%以下だという調査結果もあります。自動車が減ってくるのは必然ですね。
ディーゼル規制
2003年10月にには、東京都が、埼玉、千葉、神奈川、川崎市など関東近隣の8県市で、ディーゼル車から排出される浮遊粒子状物質の規制目的で、ディーゼル車運行規制を開始しました。
排出規制基準に達しない車両には浮遊粒子状物質減少装置の装着などが義務づけられることになった。社用車を買い換えている会社もあります。
工場での対策
工場からの排出ガスに関しては「大気汚染防止法」で規制され、また地方自治体との協定を締結したりと、極力低減するように指導されています。
硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、ばいじんの排出を抑制するため、硫黄分の少ない石油燃料を使用したり、硫黄酸化物(SOx)を除去できる排煙脱硫装置の設置、燃焼温度を低くして窒素酸化物(NOx)の発生を抑制するなど、さまざまな大気汚染対策を行っています。
またCSRの一環として、緑化活動や植林支援など、排出ガスそのものとは別の取り組みを行っている企業も数多くあります。